口臭、悩み

■口臭(こうしゅう)とはどんなもの?口(くち)は、物(もの)を食す(しょくす)ところです。したがって、食後(しょくご)には、食べ(たべ)カスが歯垢(しこう)として残って(のこって)しまうのは必然(ひつぜん)のことである。この食べ(たべ)カスは、口の中(くちのなか)の細菌(さいきん)(口腔(こうくう)細菌(さいきん))の働き(はたらき)により腐敗(ふはい)発酵(はっこう)を引き起こし(ひきおこし)培養(ばいよう)されることになる。これが、口臭(こうしゅう)をもたらす要因(よういん)となる。口臭(こうしゅう)の主な(おもな)成分(せいぶん)は、揮発性(きはつせい)硫黄(いおう)化合物(かごうぶつ)(VSC)であり、メチルメルカプタン、硫化水素(りゅうかすいそ)、ジメチルサルファイドなどが主な(おもな)ものである。ここで、人(ひと)が悪臭(あくしゅう)と感じる(かんじる)臭い(におい)として次に(つぎに)示す(しめす)。1)スカトール ・・・ 屎尿(しにょう)(しにょう)の臭い(におい)。アンモニア、アミン類(るい)などの窒素(ちっそ)化合物(かごうぶつ)。2)イソ吉草(きっそう)酸(さん) ・・・ 靴下(くつした)のムレたような臭い(におい)や油(あぶら)の腐っ(くさっ)たような臭い(におい)。3)メチルシクトペンテノロン ・・・ 砂糖(さとう)が焦げ(こげ)たような臭い(におい)やたまごが腐っ(くさっ)たような臭い(におい)。口臭(こうしゅう)の原因(げんいん)となる揮発性(きはつせい)硫黄(いおう)化合物(かごうぶつ)は、これに該当(がいとう)する。●口(くち)が臭う(におう)原因(げんいん)は?原因(げんいん)として、大きく(おおきく)分け(わけ)て3つある。■(その1)生理的(せいりてき)な口臭(こうしゅう)だれもが共通(きょうつう)して持っ(もっ)ている臭い(におい)である。基本的(きほんてき)には気(き)にならない臭い(におい)であるが、清潔(せいけつ)さを怠る(おこたる)と、その臭い(におい)が悪臭(あくしゅう)へと変わる(かわる)ことになる。その特徴(とくちょう)は、次(つぎ)のとおりである。歯垢(しこう)(プラーク)の80%は、細菌(さいきん)である。口内(こうない)細菌(さいきん)は、食べ(たべ)カスから口臭(こうしゅう)をつくりだす。緊張(きんちょう)などして口(ぐち)が乾く(かわく)ことにより、口臭(こうしゅう)はきつくなる。また、朝(あさ)起き(おき)た時(とき)と食後(しょくご)3時間(じかん)経過(けいか)した頃(ころ)、ピ−クになる。生理的(せいりてき)な口臭(こうしゅう)は、解消(かいしょう)する方法(ほうほう)があるので、悩む(なやむ)必要(ひつよう)はないと考え(かんがえ)られる。時間(じかん)とともに揮発性(きはつせい)硫黄(いおう)化合物(かごうぶつ)の量(りょう)は増える(ふえる)傾向(けいこう)にある。(標準(ひょうじゅん):平日(へいじつ)昼食(ちゅうしょく)不(ふ)摂食(せっしょく))※(参照(さんしょう))時間(じかん)とともに揮発性(きはつせい)硫黄(いおう)化合物(かごうぶつ)の量(りょう)は増える(ふえる)グラフ※東京医科大学(とうきょういかだいがく)口腔(こうくう)外科(げか)教室(きょうしつ)調べ(しらべ)※出典(しゅってん):「口臭(こうしゅう)バイバイ!!」 内田(うちだ)安信(やすのぶ)著(ちょ)■(その2)病気(びょうき)が原因(げんいん)の口臭(こうしゅう)病気(びょうき)が原因(げんいん)の口臭(こうしゅう)は、その要因(よういん)により「口の中(くちのなか)の病気(びょうき)」と「その他の病気(ほかのびょうき)」に分ける(わける)ことができる。しかし、実際(じっさい)のところ割合(わりあい)としては、「口の中(くちのなか)の病気(びょうき)」である場合(ばあい)が多い(おおい)。●知っ(しっ)てる?(病気(びょうき)が原因(げんいん)の口臭(こうしゅう))(1)口の中(くちのなか)の病気(びょうき)1)虫歯(むしば)や歯垢(しこう)によるもの食べ(たべ)カスが歯(は)に付着(ふちゃく)し溜まっ(たまっ)たままだと虫歯(むしば)になりやすい。この虫歯(むしば)が悪臭(あくしゅう)を放つ(はなつ)ことになる。特に(とくに)、神経(しんけい)が腐っ(くさっ)た歯(は)があると口臭(こうしゅう)は酷く(むごく)なる。2)歯槽膿漏(しそうのうろう)(しそうのうろう)・歯肉炎(しにくえん)(歯周病(ししゅうびょう))などによるもの歯肉(はにく)が炎症(えんしょう)を起こし(おこし)ており、それが酷く(むごく)なっていく。特に(とくに)、初期(しょき)症状(しょうじょう)の歯肉炎(しにくえん)の場合(ばあい)、小学生(しょうがくせい)でもかかる危険性(きけんせい)がある。3)義歯(ぎし)や金属(きんぞく)冠(かん)ブリッジなどの義(ぎ)歯垢(しこう)義歯(ぎし)にも歯垢(しこう)はつきやすい。人工(じんこう)のものでも安心(あんしん)してはいけない。きちんとした手入れ(ていれ)が必要(ひつよう)である。4)舌苔(ぜったい)慢性(まんせい)胃炎(いえん)にかかると、厚い(あつい)汚れ(よごれ)た灰白色(かいはくしょく)の舌苔(ぜったい)になる。熱性(ねっせい)疾患(しっかん)の場合(ばあい)は、厚い(あつい)褐色(かっしょく)の舌苔(ぜったい)になる。このように健康状態(けんこうじょうたい)により舌(した)の様子(ようす)が変わる(かわる)。舌苔(ぜったい)は、悪臭(あくしゅう)を放つ(はなつ)ことが多い(おおい)。5)その他の病気(ほかのびょうき)(ア)代謝(たいしゃ)系(けい)疾患(しっかん)甘酸っぱい(あまずっぱい)臭い(におい)がする時(とき)は、糖尿病(とうにょうびょう)を患っ(わずらっ)ている危険性(きけんせい)がある。他方(たほう)ねずみの臭い(におい)がする時(とき)は、肝臓(かんぞう)の病気(びょうき)を疑っ(うたがっ)てみる必要(ひつよう)がある。(イ)消化器系(しょうかきけい)疾患(しっかん)胃腸(いちょう)の働き(はたらき)が悪い(わるい)場合(ばあい)、げっぷのようにして臭い(におい)がもどってくることがある。胃腸(いちょう)が爛れ(ただれ)ている時(とき)は、腐敗臭(ふはいしゅう)がすることもある。(ウ)呼吸器(こきゅうき)系(けい)疾患(しっかん)気管支炎(きかんしえん)や肺(はい)化膿(かのう)症(しょう)などを患っ(わずらっ)ている場合(ばあい)でも、臭い(くさい)が発生(はっせい)することもある。(エ)その他(そのほか)の疾患(しっかん)だ液(だえき)が分泌(ぶんぴつ)されにくくなる病気(びょうき)(こう原(はら)病(びょう)やシェグレン症候群(しょうこうぐん)など)や鼻(はな)・咽頭(いんとう)などの病気(びょうき)にかかった場合(ばあい)でも、臭い(くさい)が発生(はっせい)することもある。■(その3)食べ物(たべもの)による口臭(こうしゅう)生理的(せいりてき)な口臭(こうしゅう)あるいは病的(びょうてき)な口臭(こうしゅう)でない場合(ばあい)、臭い(くさい)の強い(つよい)食べ物(たべもの)(ニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウなど)、沢庵(たくあん)や納豆(なっとう)などを食し(しょくし)た後(あと)は、口臭(こうしゅう)が酷く(むごく)なることがある。また、アルコールやたばこでも口臭(こうしゅう)の要因(よういん)となることがある。これらは、単に(たんに)口の中(くちのなか)に残り(のこり)臭う(におう)だけでない。一度(いちど)体内(たいない)に吸収(きゅうしゅう)された臭い(におい)の元(もと)になる成分(せいぶん)が、胃(い)で消化(しょうか)され血液(けつえき)を介(かい)して全身(ぜんしん)を循環(じゅんかん)し肺(はい)を経由(けいゆ)して、口臭(こうしゅう)として吐き出さ(はきださ)れる。したがって、口内(こうない)だけを清潔(せいけつ)にしていても臭う(におう)ことがある。要注意(ようちゅうい)である。

口臭

■口臭とはどんなもの?

口臭